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BOOK

「君が代」が登場する「御伽草子」の「さざれ石」を現代語訳してみた

「御伽草子」という名はどこかで聞いたことがあると思います。では実際にどのようなものか、ご存知ですか。まず「草子」とは「絵を多く入れた大衆的な読物の冊子」のこと。...
BOOK

「花の子ども」を読んで

最初の印象は「美しい」と言うのでしょうか。物語を構成するひとやもの、風景が瑞々しい存在感を放っています。それ自体の選択という手柄以外にも、それをひらたくかつ的確に表現した言葉の選択もまた一つの成果ではないかと思います。紙に記された文字が絵画のように連なり美しく佇んでいました。
MOVIE

たった一つの質問で嘘つきが見抜ける方法「カスパー・ハウザーの謎」

映画は19世紀初頭に発見された謎の青年の物語です。産まれてからずっと何者かによって牢に幽閉されていたとみられ、発見当時は言葉を話すことも、まともに座ることも、身の回りの世界を認識することもできませんでした。ドイツで実際にあった事件を題材にしています。
BOOK

【書評】村上春樹「騎士団長殺し」を読んで|雨田具彦が最期に見たものは何か

このブログ記事は村上春樹著「騎士団長殺し」を考察したものです。第1部、第2部すべて読んだ方を対象としています。
MOVIE

傑作の血脈「ブレードランナー2049」

平日の午前、新宿で「ブレードランナー2049」を観てきました。伝聞のとおり劇場はがらがらで、中列中央の僕の座席より前の列には誰もいませんでした。おかげで僕は存分に嗚咽することができ“旧友”との邂逅をたのしむことができました。
BOOK

絶望する少年少女たちへ――僕がキェルケゴール「死に至る病」から学んだこと

本屋にて「死に至る病」というタイトルに惹かれて手にしたが、一方でそのストレートな言葉が怖かった。こころに抱える暗黒に引きずり込まれそうで、そこから抜け出せなくなるのではないかと感じた。だから思い切って手に入れたにも関わらず、最初は机の横に放置していた。数ヵ月後やっと手にしたが、読み終えるのにさらに1年を要した。
BOOK

小説「漂流/吉村昭」の44年後鳥島でジョン万次郎が見たものは

ジョン万次郎が漂着した史実から遡ること四十数年前、その同じ島に土佐の船乗り(舵取り)長平が立っていました。井伏鱒二の「ジョン万次郎漂流記」と吉村昭の「漂流」の二つの作品は時代を隔てた同じ場所での出来事を綴っています。
BOOK

【書評】色彩から考察する「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」村上春樹

村上春樹の長編「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」はプロットに特殊な仕掛けが施されています。ほとんどの方がお気づきでしょう。それは登場人物に色彩が割り当てられていることです。
BOOK

ドラマチックはカッコ悪いぞと荷風が教えてくれた

永井荷風の「濹東綺譚」を読んだ。彼はそこで劇的なシーンの描写をベタと評した。たとえば主人公と情を交わすお雪の登場は突然の雷雨の傘の下である。